■Computer
2001.0414
■Computer
先日会った人は、私がPIPSと出会ってからの友人です。
17年くらい前になるんでしょうか。当時はオフコン全盛期で、
たとえば販売管理のソフトを作ってもらうと300万くらいとられる
ことはザラで、ソフト屋も大中小とあって、それは儲かっていた時代
です。
PIPSが出て、それを知った人の中にも業務ソフトの受注を請け負って
仕事をしている人もいました。彼もその一人でPrograming技術の腕前
は相当ありましたから、いろいろな会社から受注して業績も良く、社員
も10名ほどに増えて活躍していました。
当時、私も会社の中で財務会計・在庫管理はPIPSで作って、それぞれの
部門でうまく活用されていましたが、ある時期に、「これからは、そう
いった基幹業務は全てパッケージソフトに置き換わるだろう」というこ
とで、PIPSのProgram作りを止めました。
それは、ひとつには販売管理をやろうとした時に、あまりにも膨大な
売上データを処理したときにPIPSのProgramそのものが壊れたときでした。
まさかと思いましたが、「これはPIPSでやるべき仕事ではない」と思い、
すぐさま開発を断念。
もうひとつは、マイクロソフトのビルゲイツだったと思いますが、雑誌の
中で今後のパッケージソフトについてのレポートがあり、その中で、
ほとんどの業務はパッケージソフトになっていくという記事が目につい
たからだと思います。
さきほども話したように、基幹業務ソフトの販売は儲かっていましたか
ら、彼からは「こんなに儲かるのにやめるのか」といわれました。
私は「いまやめたとしても7年は引きずることになる。いま買われてる
人のリースが終わって、再リースをかけて・・・そうなると確実に7年
はサポートしなくてはならない。5年先にやめるという意思決定をした
ら、12年経たないとすべてがクリアにならない」ということで、即刻
撤退を内部に通達したことを憶えています。
たしかに、それから7年かかりました。
いえ、好意的な会社はまだ続いていますが。
17年前に彼と話したことを、先日会った時に話し合ったら、「nobさん
の言ってたほうが正しかった。いま、俺たちは業態転換を図ろうとして
いるが、なかなか過去の顧客のサポートから逃れられないんだ」といって
ました。
新潟県内でもソフト開発の会社は、ほとんどが倒産。
よほど特殊な分野、技術をもっているところは別として、市販のパッケ
ージソフトと同じ分野ならば確実に負けていきます。
いまのパッケージソフトは設定によって自社なりのものに変更することが
できますから、10年前のように一律、ソフトに合わせるということも
少なくなってきています。
ここ15年ほどで、じつに大きな変化が出てきています。
結論を申し上げますと、私は基幹業務の日常処理的なものは、もうすでに
終わったといいたいわけです。各社各様の開発ということも終わりました。
さらに付け加えるならば、私の中には、それらの入力が早いとか、処理が
確実だとか、画面まわりがどうかとか、元帳印刷が、といった事もすでに
終わったといいたいわけです。
そして、それらはもう終わらせなければならないことなんです。
なぜか? それは、それらは「過去のこと」であるからです。
販売管理も財務会計も在庫管理も給与計算も、、いまやってることは
全て過去のこと、終わってしまったことを、いかに記録に残すかという
ことを懸命にやっているわけです。
もう10年も経ったら、経理の入力処理はアルバイトがやるようになっ
ているでしょう。在庫データの入力もパートで事たりるでしょう。
販売管理なども時給いくらかの社員が在宅勤務で処理するかもしれません。
もしくは、i-netを使って、銀行がそれらの処理を全てまかなう時代がきて
もおかしくはありません。
もう、そういう処理的なものは「仕事」であるとは呼べないような時代
になるでしょう。
セブンイレブンをみているとアルバイトがバーコードを使って在庫管理を
そして給与計算、販売管理をやっています。
店主は何をやっているのかというと、あすの売れ筋を分析しています。
つねに未来対応をしているのがよくわかります。作業はしていない。
彼らが店の品を並べ替えたり、扱っているのは、現場で何が起こっている
のかを知るためで、決して作業の一員として時間を使っているわけでは
ないことが分かります。
いま大事なことは、「あすの正社員は何をしているのだろう」ということ
であり、「あすの正社員はどのように行動したら最も企業に成果をもたらす
のだろうか?」ということかもしれません。
コンピュータの変わり様を話していて、このコンピュータの変化は、
たんにコンピュータだけにとどまらずに、私達の仕事に対する考え方や
仕事の価値の変化というようなものまで考えさせられます。
◆
変化はすでに起こっていました。
政府がようやく、そう、ようやくデフレを認めたわけですが、数年前から
私達はデフレであるということが分かっていました。
しかし政府はなかなか認めたがらない。
しかし、これはよく起こることです。
企業内でも、すで変わってしまっているのに、それをなかなか認めたがら
ない人がいます。面子なのか、ノスタルジーなのかは分かりませんが、
すでに起こってしまった変化を認めたがらない人はいます。
変化というのは、津波によく似ています。
もうすぐ来るぞ、来るぞ、といっているうちに、一気に津波がきてしまう
ように、遠くで見えていても、もの凄いスピードで迫ってきます。
あ、、っと気づいたら、いつのまにか周囲は全てその状況になってしまっ
ていたりするものです。
来もしない津波を恐れてビクビクして海に出ない漁師もダメですが、
津波が来てるのに勇猛果敢という無分別の別名で意味のない漁に飛び出す
者も愚者としては同列。
あ、、そういえばテレビで総裁選挙やってました。
今後の日本、世界を展望しながら行動する総理が選ばれると
いいですね。(^_^;)
« ■CF&MXセミナーを終えて | トップページ | ■顧客主義 »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント