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■捨てる技術・捨てない技術

                                                           2000.0902


■捨てる技術と捨てない技術

 本屋に行ったら「捨てる技術」という本があって、以前どこかで聞いて
いたので手にとって見てみました。なかなか面白いことが書いてありました。

 一方、捨てる技術があるならば、捨てない技術というものがあってもいい
のではないかとムラムラと反抗心が沸いてきたわけです。(^^;)

 雪印は、捨ててはいけないものまで捨ててしまったから食中毒事件を起こし
てしまいました。ウランもバケツで混ぜてはいけません。これらは、ともに
捨ててはいけないものを捨ててしまったために起こった事件であるともいえ
ます。

 すべての仕事にはキーとなる要素があって、それは決して手抜きをしては
いけないというものがあります。むしろ手を加えなければならないものであ
るかもしれません。

 一方、止めたとしても天井が落ちてこないようなものは止めてしまった
ほうがいいでしょう。そのほうが人類のためであるというようなものは多く
存在しています。

■時間について

 やめることで、もしくは捨てる、廃棄することで私達は「時間」を得る
ことができるわけですが、その時間も細切れの時間では有意義に使うことは
できません。

 当社は始業が8時半、終業は5時の7.5時間です。
 一日あたり30分短くて、週5日制ですから37.5時間。
 週40時間は楽にクリアしてますが、一日あたり30分短いからといって
も、それは労働基準法ではいいかもしれませんが、仕事の上で何かを考えた
り、工夫したり、研究をという時間としては細切れの時間をかき集めても大
して役には立ちません。

 どうしても、まとまった時間がほしいわけです。

                ◆

 話は変わって、いつも印刷の話で申し訳ないですが、22歳の頃に印刷を
眺めていて、「印刷というのは、1対1の考えなんだなぁ~」ということに
気づきました。

 作家が写した写真を正確にフィルム上に再現して、フィルムをアルミの板
に再現して、アルミの板から紙の上に再現する。これが印刷です。

 ある作家が意図的に顔を青く写した写真を印刷で「健康的なピンクの肌に
してやれ」と親切心をおこすとクレームになります。

 悪いと思うものもそのままに、良いと思うものもそのままに。
 とにかく、1対1で正確にというのが基本中の基本です。

 ところが、この1対1というのが簡単かというと非常に難しいことなんで
す。むしろ途中で適当に手を加えることのほうが簡単です。

 私は応用数学のほうから現場に入ったので、仕事を眺めるときに、どうも
このように見る癖があって、「良いものを作ろう」というスローガンだけに
傾倒することはできないわけです。

 仕事そのものの構造がどうなっているのか? 何をしているのかというの
がキチンと分かっていないと縦に首を振らないところがあります。(^^;)

 そこで、印刷が1対1なんだということが分かると、「それなら表現する
ものは紙でなくともいいではないか、瀬戸物でもいいし、水でもいいし、そ
れこそ空気でもいい・・」と考えるわけです。

 「ようは、フィルムからアルミへ、そしてまた別のものへとイメージや文
字を移していくという移動のようなものが印刷なんだろう」と考えると、そ
ういうものはいくらでも世の中にあります。

 顕著なものとしては、ある人間の頭から、別の人間の頭に情報を「移動」
するというのだって、印刷の機能と似たようなもんです。

 というようなことを、20代の頃に言ったら、まわりから変わり者だと言
われました。(^^;)

 それから20数年経って、先日ある方と話したら、「それは面白い」と言
われました。時代が変わると評価も変わります。

 それはどうでもいいことなのですが、仕事というものも「クール」に眺め
ることって必要だと私は思います。

クールという言い方が悪いならば、仕事の本質でもいいし、中軸でもいいで
すし、機能でもいいですがそういうものをシッカリ見据えることが大事だと
思います。

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