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■有形と無形

                                                                         2002.0413


■有形と無形

 製造業のように有形のものを世の中に提供する経営は、やはり良い製品
を作って提供しなければならない。

 一方、サービス業のように無形のものを提供する経営は、顧客の繁栄を
考えなければならない。ふとそう思いました。

 コンサルタントは顧客の繁栄があればこそ、次の仕事が舞い込んできま
す。サービス業でよく[客単価を上げろ]といいますが、客単価が上がるた
めには客の懐がある程度豊かにならないと財布のヒモをゆるめません。

 その観点からみると、僕は顧客満足度というのは、もしかすると一時の
快楽、瞬間的な満足心を操作する手練手管ではないだろうかとさえ思った
りします。もちろん芯の通った思想である場合には失礼な話ですが。

もうちょっと顧客の先のほうまで眺めて企業はどう働きかけるかを考えて
行かなければならないのかもしれない。ちょうどMGで西先生が、インス
トラクターの姿勢として参加者の背後にある企業が儲からなければならな
いとおっしゃるのが、それにあたるのだと思う。

■有形のもの

 有形のものは必ず消化されるし、陳腐化するし、やがて姿を消していき
ます。そのメリットもデメリットもあるけど、メリットのほうが多いんじ
ゃないかな。

 しかも同一製品が売れ続けるということもないし、期待してはいけない
し、常にスクラップ&ビルドの精神でリスクにチャレンジしていかないと
利益は維持できない。そうなるとできるだけ早いうちに自社製品を陳腐化
させるくらいのスピードで製品開発を行うのが得策だと思う。つまり競争
すべきは他社製品ではなくて自社製品ということになる。

 それと、TOC導入以前の過去型企業の場合には製品の陳腐化が進んで
も仕掛品在庫が膨らんでいる場合が多いので、それらを叩き売りした場合
には、それにつれて他の製品群もPダウンをさせられたり、売れ残って不
良在庫になったり、顧客が買ってしまったために新製品を買えないという
ような様々なデメリットも産まれてくるかもしれない。

 だから、TOCを導入していない企業の製品の見切り時期は、だいぶ早
い時期だと感じても、そのくらいがちょうど良い時期になるはずだ。

 しかし、こういってもたぶん経営者は納得しないだろう。

■無形のもの

 無形のものは一瞬にして付加価値が消滅する。ホテルでのサービス等が
それにあたるが、提供されると同時に消滅するし、取り返しもつかない。
返品は効かない。

 ということは、その付加価値をしばらく手にとって残しておこうかとい
う顧客の期待もできないことになる。
 せいぜい想い出くらいにしかならない。

 では、無形のものは悪いのかというと、そういうことではない。

 無形のものの付加価値を長く顧客に感じさせるにはどうしたらいいのか
ということになる。つまり顧客の感じるメリットを一瞬にして線香花火の
ような具合で終わらせるのか、意図的に長く、また何回も想い出させるの
かというのが、かなり重要なテーマになってくる。

 このメリットというのが曲者で、なんとなく感じるではダメで、限りな
く明確に感じるような工夫をしていかなければ簡単に消滅してしまう。

 先に、僕が言った「顧客が儲かるように」というのは、この一例で、顧
客が毎日のように「儲かったのは誰それのおかげです」と感謝してくれる
ような無形のものの提供ができればサービス業などは大成功を収めるだろ
う。ただし、それが何で、どうすればいいのか? そこがまだ未発見なだ
けだ。

 僕は天の邪鬼だから、売り手が頭を下げてお客に買ってもらうのもいい
けど、お客が感謝して買っていくというのがあってもいいと思う。もしか
すると成功企業はこういったことが双方向に働いているのかもしれない。

 余談だが、通信販売で腹筋を鍛える用具が売れているそうだ。それなど
も、本当にお腹がへこんで、腹筋がつくという効果が出ればいい。とにか
く効果が出ないことには話にならないわけだ。

 その効果というのが、有形でも無形のものでも、ないといけない。
 しかもそれは顧客の側から見た効果であることは当然のことだ。

 しかし、もしかしたら多くは企業の側から見た[効果]つまり、憶測にな
ってはいないだろうか?


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