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■アパマンTOCはどうする?

                  ソフトパワー研究所 清水信博

 先日東京府中でTOC研修をおこなってきたのですが、参加者に
アパマンの方がいらして、アパート・マンションの斡旋業にTOCを
導入するには、はどのようにしていったらいいのかと相談をうけま
した。

 いろいろとアドバイスはしたのですが、帰りの新幹線の中でも気
になって、メモをとりました。

■まずは業務フローを書くこと
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 ご本人とも話したのですが、営業担当者はみな同じ仕事をしてい
るかというと決してそうではありません。ベテランの頭の中に入って
いる仕事はクローズドになっています。OPENになってはいません。

 まずは、これをOPENにして整理整頓することが重要です。

 OPENになっていない証拠は、残業過多という形で現れます。

 そこで、「残業が多いでしょう」と質問すると、「そうです」という答え
でした。次に「特定の営業マンの残業が多いのでは?」と聞くと、こ
れも「そうです」と答えます。さらに「物件数が増える時期になると、
さらに残業が増えてますね?」と聞くと、「はい」と。

 これは、明らかに「個人が仕事をロットで抱え込んでいる」というこ
との証明です。抱え込む理由は「他人に仕事をまかせられない」と
いうことや「俺しかわからない」、「もし、他人にまかせて不備があっ
たら叱られるのは自分だ」という思考が邪魔をして抱え込んでしまう
のです。

 これをOPENに図式化して、誰もが仕事を行えるようにすることが
重要です。たとえ本人が休んでも、すぐに代理の者が行えるようにす
ることが、制約をフルに活かすことにつながります。

 つまりモノの見方、考え方が、成功の邪魔をするのです。
 その思考が「制約条件」。つまり、方針制約なのです。


■物理的な制約条件は
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 アパマンの場合。新聞、雑誌、i-net等の赤チップから見込客が
来ます。こうした「見込み客情報」がMQの素になっていきます。

 それらの見込客情報はコンピュ-タで管理してあるそうです。
 これが間違い。

 コンピュータを使うのは、計算、検索、並べ替え等を活かすためで
あって、このような「見込客情報」は、コンピュータよりも早い「眼で
見た管理」を使用したほうが効果的です。

 僕ならば、見込み客情報を壁に貼っておきます。
 つまり、ここが「ボトルネック」だから。

 見込み客件数が枯れたら、アパマンは潰れます。

 よって、見込み客件数を、一週間でもいいですが、常に30件なら
ば、30件を保つことを意識したらいいのです。

 しかも、話があった時の日付を赤で書いておけば、日付の古いも
のは、プッシュするか、壁からはずすか。いずれかのアクションをと
らなければなりません。
 長期保留顧客は、何らかの対処を必要とします。
 生鮮食品と同じことがいえます。


■サービスの質
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 サービスの質でも同様のことがいえます。

 お客様は、チェーン店であれば、どこであろうと「同じサービスを
期待」します。もし異なったサービスを受けると、混乱して違和感を抱
き、ときには嫌悪感をおぼえて二度と立ち寄らなくなってしまうことも
あります。

 業務フローで誰がやっても同様の仕事、サービスを提供するのは、
マニュアルではありません。顧客満足度を維持するためのものです。
 それが結果としてマニュアルと同様の効果があるということにすぎ
ません。

 誰もが同じことをすると、付加価値が失われるという人がいます。
 もしくは没個性化だという人もいますが、それは付加価値や個性の
真の意味を知らないからです。
 それらは、その方が思っている以上に高いところに存在します。

 なんでもいいという放任主義と、自由を混同してはならないように、
付加価値の位置づけも、あまり低レベルで設定するのは好ましくない
ことだと思います。


■Qには2種類ある
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 一つ目のQは、新規顧客です。
 赤チップ効果で、問い合わせのあった新規顧客です。

 もうひとつのQは、いま住んでいるが変更したいという固定客のQ
です。アパートに住んでいて、いったい何年ほどで、別のところに変え
たいと願うのでしょうか?。
 それは三年だろうか?それとも5年でしょうか?。

 いずれにしても、よりグレードの高いところ、利便性の良いところに移
りたいという希望は、繰り返しのQになります。

 この二つのQをつかまえていかなければなりません。

 となると、ここからがコンピュータの活躍するときです。

 固定客にある年数がたったら連絡をして、ご希望のアパート情報を
提供したらいい。このようにアフターフォローが重要になってきます。

 しかも、それはDMでは遅い。メールで適時送るという方法が考えら
れます。でも、もうこれはやっているかもしれないですね。(^_^;)


■スピードが命
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 同程度の品質ならびにサービスであり、Pも同じであれば、MGの場
合は再入札となります。再入札は、より低Pにということなので、これは
企業にとってはつらいことです。

 では、低Pを避けようとするのであれば、競合相手に対して何かしら
の差別化を図らなければなりません。何の青チップもなければ、やが
て両者ともに泥沼のような低価格にあえぐことになります。

 そして一旦、低価格が定着すれば、そこからの価格引き上げは絶望
的ともいえることになってしまいます。

 いまの時代は、どこでもそうそう品質は変わらないし、追随する動き
も活発ですから、品質、サービス、価格での差別化は短時間勝負にな
ってきています。

 こうした中で、重要な差別化は、「スピード」。つまり時間です。

 誰よりもスピーディに顧客対応ができたならば。それも親密に、しつこ
くなく、さわやかで、フェアーで・・・。これは強烈な武器になるでしょう。

 もし、誰よりも早く原材料を調達できたら、これも武器になります。

 あそこに頼めば、かならず所定の日数であげてくれる、ということも
武器になります。

 流行っている寿司屋は、ますますネタが良くなり、お客を呼ぶように
るように、Vを上げたからといっても、それを上回るQで、Gがドンドン出る
ようになる例はよくみかけます。

 一方、流行らない寿司屋は客の回転が悪くなればVダウンをして、
ネタもまずくなり、ますますQが下がってしまう。
 こういうことは収穫逓増理論というらしいが、良いところはドンドンよく
なっていく。これが昔の経済・経営理論では説明がつかないところの
ようです。

 いずれにしても、スピードという問題は、まだ出始めたばかりのことです。
 それぞれの企業において、過度な労力をかけずに、つまりMGでいうと
大汗流してゲームをせずに、笑顔でGをスピーディにあげていくにはどうし
たらよいかと考えることがこれから大事になってきます。


■嫌だと思う分野・仕事に顧客満足はある
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 もしあなたが顧客満足度を上げたいと願うならば。
 ひとつの重要なヒントはある。
 それは、「自分たちが最も嫌だ」という分野・仕事です。

 自分たちが嫌だという分野は、同業他社も嫌だと思っている分野で
あるから、なかなか競争相手も手出しはしてきません。

 もし、この分野で成功すれば、新規参入障壁という壁ができるから、
時間を稼ぐことができる。その時間差の間に、業界での地位とブラン
ドを築けばよい。先行者利得を得ることです。

 たとえば、仕事や営業活動、サービス等々においても、あなたが嫌だと
思っていることをよく観察してみたらいい。
 顧客のために、わざわざ出向いていくのは嫌だと思っていたとしよう。
 ところが顧客は、あなたが出向いてくれたほうを喜ぶでしょう。

 納品する場合のチェック基準が上がったとして、あなたはそれが面倒だと
思うかもしれない。しかし顧客にとってはキチンとチェックされたという安心
感が満足度なのだから、いい加減に納品すれば満足度は下がる。

 いまの市場を見直したり、これまでのやり方を変えることはなかなか
難しいと感じる人は多いのではないだろうか?。

 しかし、あなたが嫌だと思っていること。
 それは案外顧客が最も望んでいる「シーズ(種)」かもしれない。


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