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■N社のTOC成功事例

                            2003.11.13

                 ソフトパワー研究所
                 所長
  清水 信博

今回のTOC成功事例は、珍しく卸売業、商社の事例です。

■TOC研修に参加して
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 愛知県に本社を構えるN社は眼鏡の卸売業をおこなっている。

 K社長と初めてお会いしたのは、今年9月18日のTOC研修であった。それまでTOCやボトルネックの話は何度か耳にしていので興味があり、ご自身もぜひTOC理論、しかもそれをゲーム化したものを体験したいと思っていたそうだ。

 一日コースのTOC研修で、モノの流れや利益について体験して驚いたというが、果たしてこれが自社にどう応用していったら良いのだろうと悩みながら名古屋へ帰った。

 10月21日に新潟県のH社見学会にいらっしゃったので、その後についてお伺いしたところ、見事な成果が出てきたとのことで、それをおうかがいした。

■TOCで出荷がスムーズに変貌
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 N社では、いつも「出荷部門」が大忙しで、とくに月曜日は他の曜日に比べて二倍の出荷をしなければならない。そこで、他の部門に応援を要請して、月曜日は倍の人員で出荷を応援しているそうだ。

 ところがK社長が現場にいってみると、人数は多いにもかかわらず、手持ち無沙汰の人間が何人もいるし、途中で人数が多すぎるようだからと応援部隊が帰ってしまうこともあったそうだ。

 しかし、やはり出荷は遅れがちであり、遅い時間に宅急便の営業所に持ち込むこともしばしばで、なぜなのかと不思議に思っていた。

 そこで、よくよく観察してみると、眼鏡を梱包する段階までは人は多いし、荷台に積む人数も多いのだが、「荷札を書くのが一人だけだ」というのが分かった。

 この荷札はコレクト宅急便という代引き方式で、その伝票を書くのが一人なので、それ以前、それ以後の作業量をどんなに増やしても、結局出荷のスピードは伝票記入によって決められてしまう。

 まさに、TOCのダイスゲームで見た、あのボトルネック通りだったと話してくれた。

 そこで早速おこなったのは、応援部隊には、このコレクト便の伝票記入を教育して、手伝いに行くときは、伝票記入をせよと指示を出したそうだ。すると、すぐに出荷スピードは上がり、無駄な残業も減ったという。


■出荷変更もスムーズに
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 出荷のために梱包をしたはいいが、内容の変更が出る場合もある。

 その場合には、梱包をほどいて眼鏡を別のものに差し替えるのだが、その荷物探しに手間がかかるという問題について相談を受けた。

 私の予想では、同じような仕様の眼鏡を梱包したら、相手先別もしくは宅急便別、地域別のような形で「並べ替え」をして棚に積んでおくのではないかと思ったので聞くとそうだと言う。

 そこで、「そのやり方ではダメで、まず最初にコンピュータから並べ替えた作業リストを印刷させなさい。そして、その作業リストの左端に連番を振っておきなさい」と言った。

 こうして、さらに梱包した箱に連番を書いておけば、すぐに見つけることができる。

 まず大事なことは、並べ替えをした順番どおりに先入先出しの原則を守って作業をすることで、その並べ替えを途中で勝手に変更して並べ替えないこと。これが大事。

 次に、同じような仕様だからといって、相手先が違うものや、宅急便が違うものを混ぜないこと。これも大事です。

 同じような仕様だからというのは、ロット思考で、TOCでは、同じ仕様であっても、注文件数ごとに分けろといいます。 得意先ごとに分けろといいます。


■差別化
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 以上の成果に気をよくしたK社長がいうには、同業者の中には発送は午後4時で打ち切りますと宣言したところがあるそうです。

 ところが、N社はTOCで出荷がスムーズになり、午後4時以降に受注しても発送が可能なのだから、もっとお客様の要望に応えることができますというわけです。

 自社で抱えている問題は、案外同業他社でも抱えている問題だったりします。

 さらに、梱包後の差し替え等の変更についても、すぐに発見できて対応できる「仕組み」を作っておけば、これも差別化につながります。

■これから
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 K社長は、いつも出荷部門が人手が足りないと文句をいっていたが、安易にパート・アルバイトを採用して人件費を上げなくて良かったと言ってました。

 また、これまで何度も現場に行って、実態をみていたが、あのTOCのダイスゲームを目の当たりにしたのには驚いた。まさにあのゲームの通りのことが自社で行われているんだと驚きましたと語ってくれました。

 こうして問題の出荷部門でTOCの成果をみた同社では、次はどこがボトルネックであるかを探して改善をしていきたいそうです。


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