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■M社のTOC革命

                 2003.11.10    ソフトパワー研究所
                      所長  清水 信博

■届いたメール

 N県にある製造業M社の若きO社長より貴重なメールを頂いたのでご紹介します。

題名 遅くなりました

 大変遅くなりましたが、なんとか書けました。先生の期待されている文章と違うのかもしれないので、あまりにもかけ離れているようであれば書き直しますので、おっしゃってください。

■プロローグ

 私共は創業35年、金属製品を製造している会社で社員数は25名程です。

 雑多な金具類を受注しています。原材料を仕入れてから社内加工をし、さらに外注先で表面処理をした後に梱包をしてからお客様に納品するという仕事が会社全体の7割を占めています。

 受注から納品までの日数(リードタイム)は、創業以来30年間ずっと10日から2週間程度で変わりませんでした。しかしながら厳しい環境の中、私はこれを半分にしようという目標を立てました。納期にこだわることで未来に生き残る会社を作ろうと思ったのです。

 ところが、達成したらどうなるかということについての具体的なビジョンが描けないまま時間は過ぎていきました。

■TOCとの出会い

 そんなとき、S市の信用組合でTOCの講演会を開催するという案内が届いたのです。生産革命というテーマでしたので、興味も加わって参加することにしました。

 講演会でソフトパワー研究所の清水先生の講演をお聞きして、これまで私が疑問に思っていたことが解消して、納期が短くなると業績が好転する、働きやすいやりがいのある会社になるという確信が持てたのです。

■始動

 まず、得られる利益について幹部社員を含め検討を始めました。受注生産品はすべて見積もりをして納期をお客様に回答するのですが、成約率はわずか24%。あとは受注ロスになっていたわけです。ロス分は金額にして年間1億以上。想像以上のロスに驚きました。

 次に、なぜ受注できないのか検討を始めました。その結果、理由は見積もり単価が高いことと、納期が間に合わないことでした。営業に確認しましたが、たしかにお客様の声からもこの2つが半々くらいのウエイトを占めていることがわかりました。

 ということは納期がお客様の要望どおりになれば受注ロスの半分は受注できるのではないかということになり、これを計算してみると、なんと売上増分は単純計算で5千万以上。少々荒っぽい計算ですが、実現すれば、売上どころか利益にも多大な貢献をすることは間違いありません。

 また材料仕入から納品までのリードタイムが短縮すれば、在庫の縮小にもつながります。しかもそれはキャッシュフローの改善、在庫の工場床面積の節約、大量の仕掛品管理にかかる仕事量を削減することもできます。相乗効果としては生産現場そのものの改善も促進されるはずです。

 次に社員の利益についても考えてみました。普段業務中にかかってくる電話のうち半分以上は、納期の確認の電話であり、担当社員はいつも「もっと早くできないのか?」という苦言を頂き、応対に汗を流していました。

 お客様の要望どおりに納品できれば、この仕事も激減するはずです。ストレスなく業務を遂行することができるのです。その上、「間に合わせてもらって助かったよ」という感謝の言葉を頂けるかもしれない。

 これは社員にとってはたまらなく魅力的な報酬のひとつです。もちろん業績が好転すれば社員の収入が増えるであろうことは言うまでもありません。

■TOC行動計画

 達成するための行動計画ですが、分析してみると社内での作業時間は全体の10%程度で、残りはすべて材料待ち、外注待ちの時間でした。

 そこで、まず自社内でやることを考えてみました。ひとつ目は、材料は社内で用意すること。二つ目は、大掛かりな設備投資が必要な外注工程以外の作業はすべて社内で行うこと、この二つで簡単に目標の納期半減をクリアすることがわかってきました。

 ある程度の投資と増員が必要なため、約3年計画で実行していく予定です。

■社員が変われば会社が変わる

 ところが、目標を立て、幹部社員と利益と将来のビジョンを共有した時点でモチベーションが強烈に高まり、なにも具体的なことはしていないにもかかわらず納品までのリードタイムが従来の半分の5~6日程度にまで短縮してしまいました。

 待ち時間を少なくするためにみんなが走りだしたのです。

 いまでは計画を達成すれば納期3日が2年以内に、5年以内には2日にまで短縮できるのではないかという話をするようになりました。

 2日が実現すれば日本中の受注生産品がみんなとれるじゃないかとか、消費者の要求が多様化を続けていけば、量産品よりも受注生産品が市場で大きなウエイトを占めていくだろうし、その時には我社はトップメーカーだ!などという大きな夢を幹部社員と共に語れるようになりました。

 計画を遂行し、成果を出していくのはこれからですが、これらに向かう確信を抱かせていただいた清水先生には感謝をしております。ありがとうございました。

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