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■柏崎のお茶屋さん

                                                                       2000.1126


■柏崎の年頭屋さん

 この日曜日は、新潟県の上越市でPTAの県大会があったので、早めに
新潟を出発。カーナビもつけたので悠々と向かいました。途中、気が変わ
って柏崎IC.で高速道路を降り、MG仲間の年頭屋・増田泰さんのところへ
立ち寄ることにしました。

 奥様の恵子さんもいらして、美味しいお茶をいただき、MGやMTについ
て話をしましたが、その中で増田さんが言ってた事が面白かったのでちょ
っと掲載します。

■お茶の「ABC分析」

 年頭屋さんは、柏崎でお茶の加工、販売をしている老舗。そこの若い
社長の増田泰さん(40)は、マイツールを戦略的に使うことで有名な人だ。
 その増田さんが今回やったのは、お店で売っているお茶の[ABC分析]。

 通常ABC分析では、Cはカットするのが常識とされているが、増田さん
の凄いところは「Aをカットした」という事。これは、なかなかできることでは
ない。(^^;)

 つまり、同じ[ほうじ茶]といってもランク別、価格別に分けると何種類もで
きてしまうので、これは管理が面倒だ。しかもランクの高いお茶とランクの
低いお茶を混ぜて中間品を作るのは味もダメ。ということで一番の売れ筋
だった中間品をカットしたらしい。
 これには、彼一流の品質に対する使命感もある。

 この結果、お客はワンランク上の、品質もマルというものに移るか、もしく
はワンランク下でも価格さえ低ければというところに移動しはじめた。

 その結果、年頭屋さんでは年間で○千万のMQアップが実現したという。
 つまり、これまでBランクではあるが品質は格段によくて、値段はちょっと
高いというものが売れ始めたり、Aランクの4番目が売れたりしたわけだ。

 これは、売れ筋NO.1の商品が無くなった分が、他の商品のQ(販売数量)
に移っていったということらしい。

 そして再度、ABC分析を行ったところ、それ以前とは比べものにならない
ほど全体が良くなった。MQアップになった。平均も上がったという。

 低PハイQ型の商売では、ABC分析は常套手段として使われているが、
増田さんによると、「専門店では、ABC分析をそのまま使うとダメになっちゃ
う事がある」と言う。

 一番の売れ筋商品すら疑ってかかる必要があるというのが面白い視点だ。
 そして、ABC分析の前に「品質、価格、管理、お店の雰囲気や志向」とい
ったものを総合的に判断して、商品の再整理をおこなったあたりが、増田さん
の戦略家らしい一面だ。
 

 もちろん売れ筋は[MQ(粗利)]でソート(並べ替え)してあることは、MG
をやってる者としては当たりまえのことだが、MQは、M×Qであることが、
この事例でもよく分かる。つまり、ここではQはそんなに変わらないのだろう。

 それよりも、グレードの高い、味の違いがよく分かるようなブレンドにするこ
とで、お客は「あれ? こちらのほうが圧倒的に美味しいね」と気づけば良い
のである。それがPで100円くらいの違いなら、懐もそう痛まないから客は
納得して買うのだろう。その結果、こちらのMは高くなり、Qは変わらないの
で、結果としてMQは飛躍的に増える。

 奥さんもホクホク顔で、話されていたが、柏崎の商店街から一念発起して
郊外に新店舗を構え、ご夫婦と社員さんで努力されたことが、いま大きく報わ
れているのを感じた。これからも、ますます発展することでしょう。

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