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■新潟大学の学生との懇談会

                                                                        2002.0516


■新潟大学の学生との懇談会

 昨夜は丸徳さんに誘われまして、新潟大学の岩清水教授のゼミに参加
してきました。企業経営者と大学生で「地域通貨について」についてディス
カッションをするということだったんですが・・・・。

 新潟市の中心街から10kmほど離れている五十嵐に新潟大学のキャン
パスがあります。そこから繁華街の古町に出るにはバスで500円、時間に
して20分ほどでしょうか。電車ならば200円くらいで、新潟駅からバス(180
円)で乗り継ぐと5分ほどで古町に着きます。

 なぜ古町の話をしたかというと、地域通貨の話になるはずが、司会者が
古町の活性化について話をしたいと言ったのでテーマが変わりました。
 そこで新潟大学からのアクセスについてご説明したわけです。

 さて、大学生はこの便利とはいえない場所から、なぜ古町に行くのか?
それは何を求めていくのか? どういう手段なのか? 等々を学生に話を
してもらいました。

 参加者は企業経営者が5名、学生30名程度、教授、新潟市の振興課の
職員数名。

 結論からいうと、ほとんどの人がブランド物のファッションを買いたいとい
う理由で古町に行くのだそうです。ですから最初からお店も特定している
し、高い駐車料金(200円/30分)を払うのも嫌なのですぐ立ち去るか、もし
くは自転車を積んで海岸に車を停めて自転車で古町に来るんだとか。

■ディスカッション

 さて、1時間しかないディスカッションでしたが、順番に学生達の話を黙っ
て最後まで聞いていました。するとほとんど同じ意見で、古町まで遠いの
であまり行かないとか、駐車料金が高い、バス代も高いという話で終始し
ました。

 終わり頃に丸徳さんの配慮で僕に意見を求められたので、まずは5年ほ
ど前の繁華街での街頭アンケートをもとに集計したレポートの話をしました。

 これは400通ほどのアンケートをもとにマイツールで集計して分析。そこ
から報告書と提案を作成して新潟市に提出したというもので、中心街の経
営者からの依頼でつくった50頁ほどのレポートです。

 これによると中心街の経営者の考えていることと、来場者の考えている
ことのギャップが大きいということが分かりました。その話をまずしました。

                     ◆

 次に学生達が言うように古町が遠いという考え方を、逆に古町が学生に
近づくという考え方があってもいいのではないどろうかと提案をしました。

 いま古町には倒産した、どうにも処分できない8階建てくらいのビルがあ
ります。どこも買い取らないし、テナントも入らない。
 まるで廃墟のような建物です。

 ここを大学の一部として使ったらどうか? 6階以上はワンルームマンショ
ンのようにして学生に賃貸してもいい。そして学生がIT技術を使って起業家
になってもよいではないか? 等々。

 遠いと嘆くなら、そのものの近くに引っ越せばいい。

 しかも学生は車を持っていますが、その3万円ほどする駐車場代は例の地
域通貨で支払ったらどうなのか? 地域通貨は地域の清掃をしたりして得た
らいいのでは?

 このように発想を変えると新種の学生街が中心地区にできあがります。
 若者に来て欲しいと願う中心街の経営にとってもいいのではないでしょうか。

 また中心街が深夜に若者に占領されることでのモラル低下が叫ばれてい
ますが、僕はモラル低下は同年代の人間達で良い方向へと変えていくのが
良いと思っています。年長者がいくら注意してもその場かぎりですし、決して
良い方向へとは向かわないと思うのです。

 実際にそこで暮らして、良い町にしていこうという同年代が声をあげて取り
組むことが大事です。

 そのような提案をしたわけです。

                       ◆

 教授も驚いたような顔をしていましたし、中心街の経営者も、そんなことは
不可能だという顔をしていました。しかし若者に中心街に来てほしいならば
大学を誘致すればいいし、生活そのものも中心街に移せばいい。

 ようは、お互いの利益が合致すればいいだけのことです。

 この話は、その後の交流会でも学生達から質問を受けましたが、斬新な考え
方だとビックリしたようです。

 ここで僕が面白いと感じたのは経営者が「これからは皆さんのような斬新な
発想が大事です。私たちのような発想では問題が解決しない」といいながら、
本当に聞いたこともないようなアイデアを提示するとどのように反応するかです。

 結果からいうと、あきれ顔でしたね。つまり本当は斬新な発想など求めては
いないのだという事が分かります。ですからどこか別の県やら海外での成功
事例を焼き直す程度の事しか実際にはやっていないのです。

 これを僕は「革新志向のマンネリズム」と呼びました。

                 ◆
 以上ですが、それにしても大学生の顔が良かったです。
 まったく素直な、笑顔のいいのが多かった。(^_^;)

 丸徳さんのご配慮で参加させていただいた学生との懇談会でしたが、僕の
ほうが得るものが多かった夜でした。ありがとうございます。

 最後に、学生に話したのは「何事も両面で見ること」と「相手の立場で考え
ること」。そして、「お互いの利益が上がるようにすること」でした。

 そして、鉄は熱いうちに打てという言葉どおり、いまのうちにMGやマイツール
をやってほしいなぁ~と感じた夜でした。


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