■デザインを考える
2001.0629
昨日のNHKだと思いますが、じつに面白い番組をやっていたので
ご紹介しようと思います。
その番組には若いアーティストが出演していました。アメリカに住んで
いて絵を描いているのだとか。私もチラッと見ただけなので名前だとか、
詳しいことは分かりませんが、そのアーティストがこういってたのは、よ
く頭に残っています。
彼は、「絵で行きづまった時に、絵でなんとかしようとすると小手先の
解決にしかならない。またトリッキーなだけで自分は終わってしまう」と。
そして、ここからが凄いのですが、彼は絵で行きづまった時に、詩華に
求めたんだそうです。つまり絵ではなく[言葉]に向かったわけです。
それも日本の[古典]や[万葉]の世界にいったというわけです。鴨長明、
紀貫之などの世界を徹底的に読んだそうです。そうしたら全く新しい絵画
の世界が広がったそうです。
これはまさしく藤坂先生がいわれていた事と同じであって、驚いたわけ
ですが、よくよく考えてみると、それが正しいことはよくわかります。
デザインでも様々なメディアと触れあったおかげで、いまでは素人がパ
ソコンを使って見事なデザインができるようになりました。では、これま
でデザイナーといわれてきた人は何であったのか?。私は看板屋だったの
ではないだろうか、と思うわけです。つまり思想はなかったが、技術はそ
こそこあったというのが、これまでのデザイナー。
これからは、それでは通用しません。思想があるかどうか。そこで、デ
ザイナーとアーティストの違いが明確にあるのだということが先の話で私
には分かったような気がします。
そして、これはなにもデザインだけの話ではなくて、すべての仕事に相
通じることであって、素人とプロの違いはここにあると思うのです。中間
のセミプロというのは趣味の世界には、もしくはNPOには存在するかもしれ
ませんが(本当はNPOであってもマネジメントは必須)、仕事となると、中
間はありません。折衷案のようなものはないというのが本当のところです。
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