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■顧客を失う理由は

                                    2005.0705
                        ソフトパワー研究所 清水信博
■顧客離れは
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 神奈川県在住の中小企業診断士T氏によると、企業が一年間に失う顧客数は平均24%になるそうだ。約四分の一の顧客が競争相手に行ってしまうとのこと。つまり100人の顧客がいれば、一年間に24人程度は離れていくのだから、企業はその24人を「新規顧客」として補充しなければならない。

 ところがT氏によると、新規顧客獲得のコストは現在の顧客を維持するのに比べて8倍のコストがかかるとも言っている。

 これを数値で比較してみよう。全体を1とした場合には。

 0.75の顧客に1のコストであるから、0.75×1=0.75.
 一方0.25の顧客に8倍のコストであるから、0.25×8=2 となる。

 単純に数値比較はできないだろうが、私たちは新規獲得に多大なる労力や資金を投下しつつ、現在の顧客に対して報いているのだろうかという疑問が湧いてくる。

 少子高齢化の影響などにより市場が小さくなると、私たちは販売数量を上げようと躍起になる。
 右手には「顧客離れを阻止する戦略」があり、左手には「口コミ、評判等による顧客化」や「新規獲得」の動きがあると思うが、その活動比重が異なってきているのを感じる。

 つまり「費用対効果の悪い方」へと向かっているような気がする。

■顧客不満足度
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 またT氏によると、顧客不満足を企業が捉えているのは全体の2~3%に過ぎないとも言っている。残りの97%は企業の耳に入ってこないか、積極的に顧客に尋ねていないそうだ。

 これでは顧客離れは24%どころかより加速してしまいかねない。その結果不足分を補うために、さらに高コストで新規獲得へと向い企業は倒れてしまいかねない。

 TOCでも「顧客満足度は計測できないが、不満足度は計測可能である」と言ってきた。話がそれるが顧客満足度は「必要最低限」が条件であって、過度の顧客満足度は不要である。なぜなら満足度にもコストがかかるから上限なしの満足度向上はあり得ないのである。上限なしということはコントロール不能ということでもある。

 さて、2,3%の顧客不満足から企業は何を行っているのだろう。結論からいえば「後追い型サービス」ではないだろうか。

 こういう困ったことが起きた。ではそれを解消するためにこういうサービスを提供しようという後追い型サービスでお茶を濁しているというのがほとんどの企業で、それをもって「顧客満足度を高める」と言っているのではないだろうか。

 私たちが欲するのは企業が顧客の一歩先をいって「こういうものが欲しかったのではないですか?」と提示するような、提案型サービス、付加価値型サービスであると思う。

 そういった先行型サービス(真の顧客満足度向上)はどのようにしたらいいのか。それは2~3%の顧客の声ではなく、その数十倍の声を聞いて、顧客が求めるニーズでは足りない、シーズ(真の欲求)まで掘り下げて企業が対応することではないだろうか。そこにこそ顧客満足度を上げるネタがある。

 日産のゴーンさんも、いまのダイエーの女性社長も、いずれも現場を回って社員の声、お客様の声を聞いた。いまでも定期的に巡回して市場を肌で感じ取っている。これが正しい姿で、権力者のようにふんぞりかえっていては倒産もやむをえない。

■顧客を固定客化する
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 顧客を浮動化、流動化させずに、自社のファンとして固定化することが「真のQの姿」であると思う。

 製造業であれば納期は確実に守る、誰よりも短い納期で品質は良く、アフターサービスもマルというのが顧客に好かれる。笑顔も好かれるが基本はビジネスである。

 小売業であれば、欲しい商品がすぐに手に入る、新製品が並んでいる、価格がお手ごろであるといった具合だろう。

 こうしたそれぞれの業種、業態に関わる基本みたいなものをガッチリ押さえることが大事である。そもそも顧客はあなたの会社の内情など見えないし、興味もないし、心配もしてくれないのが当たり前なのだ。

 ドラッカーは、顧客は製品やサービスではなく顧客はその機能を購入しているのだといったが、いまは機能は誰もが提供できる時代になった。機能はすぐ競争他社も真似るからだ。

 そうなると製品も変らず、機能も変らないとなると、何で差別化を図るか。何をもって顧客を固定化するのか。

 答えは「離れていく客は、なぜ離れたのか」の中にもある。

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