■在庫管理
清水 信博(2000.0618)
■当社の例
当社では、在庫スペースが狭いために、印刷会社に「預かり在庫」をして
もらい、必要分だけ持ってきてもらうようになって格段に楽になった。
在庫スペースは、家賃である。かなりの量になれば、固定費(F)も出て
いくことになる。いまは、ほとんどの企業がFには敏感なため、できるだけ
在庫を減らそうとしているが、当社は簡易的はジャストインタイム方式をと
っている。
これは、出入り業者が倉庫を新築したことで、逆提案されたことだが、今
となっては有り難い提案だったと思っている。
■T社の事例
T社は新潟で著名な「K屋(鮭茶漬や鮭の加工品を扱っている)」の手提
げ袋、化粧箱、包装紙等を扱っている。繁忙期には、一万個もの手提げ袋が
出るという。100坪の倉庫に満杯の在庫も、大型トラック二台に積んで、
一日で出荷するとか。
T社の強みは何だろう?。
この会社は、まず豊富な在庫スペースを持っている。
これは他社に真似できないことだという。
しかも、預かり在庫で、出荷した分だけ、売上を上げるという。
また、的確な在庫管理で、決して欠品を出さない、コンピュータシステム
と生産計画、生産体制が売り物だ。
また、配送はK屋の指示にもとづいて、T社が全国の各店舗に配送する。
これで、T社はK屋とガッチリ手を結び、高収益を得ている。
しかも、他社は入り込めない。
、良質のサービスで「差別化」を図っているというわけだ。
■在庫管理も戦略的に。
ここで言おうとしていることは、在庫管理も「戦略的」にやれば、すなわ
ち、「差別化」になるということ。何事も視点を変えれば戦力になる。
いまの時代は、トヨタでなくとも、中小零細企業が独自に「ジャストイン
タイム方式」を構築できる、提供できる時代になった。ようは、ジャストイ
ン・タイム方式」の骨格は、情報スピードの問題だった。流通も大事ではあ
るが、いまは全国津々浦々に在庫が豊富な時代だ。
どこからでも、製品を送ることは可能になった。
あとは、誰と手を結び、情報網を張めぐらし、誰よりも早く通報するか。
そして確実にモノやサービスを提供できるか。
T社のように、在庫管理を戦略的に捉えて展開している企業は、他社から
の価格競争にも強い。信頼関係もできあがっている。
何事も、「頭」を使うことだ。
もはや、筋肉だけを酷使する時代も終わった、機械操作がうまければ高給
とりえある時代も終わろうとしている。これからは、まさに「知的」な人材
が時代をリードする。それは学校の成績ではない。現場を知らない机上論だ
けの者の天下でもない。現場を知り、探究心と学習を重ねた、「あなた」の
時代となっていく。
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