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■TOCで儲かる会社へ変身

                  2003.0317
            ソフトパワー研究所  所長  清水 信博


 いま話題の新潟県柏崎市に本社を置くK社という製造会社
の社長夫人よりTOC成功の貴重な報告が届いたのでご紹介
いたします。

■赤字が出ていた頃

 社長が交代して今まで勉強してきたMG(マネージメント
ゲーム)などを活かして何とか利益をあげようと頑張ってみ
たが、毎月赤字続きでした。しかも、毎月税理士の先生と話
をしていても、「何が悪いのでしょう?」と頭を抱えるばか
りで、「赤字からの脱却」には至りませんでした。

 そんな時にMG仲間の間で流行りだしたのが、「TOC-
制約理論」でした。とにかく必死だったので、「すぐに黒字
に、、、」なんて言葉にすぐ飛びつきたくなりました。まず
私が商工会議所・青年部の例会で清水さんの講習を受けてみ
たました。

 すると、まさに目から鱗で「ボトルネックさえ見つければ、
すぐに黒字になるかも」とゲームや講習を通してピーンとき
ました。

 実際、受講後すぐに結果が出た会社が身近にあり、「我社
も今度こそ!」という気持ちがあったのです。

■TOC導入・最初の一歩

 とにかく、在庫を持たないことを徹底してやろうと思い、
会社に戻りました。生産能力に合せて、材料仕入れも考えて
やってみたら工場内に原材料がころがっている現象はなくな
りました。

 しかし数字は?といえば全く変わらない。かえって売上が
減ると言う、悪い現象がおきてしまいました。

 困ったので、今度は休日を使って会社全体で「TOC」の
勉強会を実施しました。TOCなら日ごろ機械ばかりにつか
まっている社員たちでも飲み込めると思ったからです。

 またまた清水さんに講師をお願いし、一日たっぷりと勉強
をしました。講習の最後には社員たちと「我社にとってのボ
トルネックは何か?」を話し合いました。

この時の全員の意見は一致していて、皆「マシニングセン
ター(最終工程)だよ」と言いました。ではそのボトルネッ
クを解消するにはどうしたらよいか?について話し合ったと
ころ、「配置転換する」「段取りが終わったらあとはパート
に機械を回させる」などの建設的な意見が飛び交いました。

 早速、週明けの社内で「TOC」を導入しての試行錯誤が
始まりました。しかし、やはり一ヶ月を締めてみると、また
赤字。しかもまた売上が下がり、さらに悪い方向へと進んで
いったのです。

■会社の移転とリストラ

 そんな時に偶然ですが、会社が移転をすることになりまし
た。たまたま今までの場所を住宅地として購入する会社が現
れたのですが、TOCを勉強していたので、会社を小さくす
ることにためらいがなくなったのも、タイミングが良かった
のかもしれないのです。

 1000坪の土地から250坪の土地に移転することにな
り、工場も3分の1になりました。

 この機会に社員は思い切って半分にしました。F(固定費)
ダウンすることで、楽に仕事をしたいという想いからでした。
 リストラした社員は、一番年長の汎用機械(手作業で仕事
をする機械)で作業している職人さんと第一工程担当のワー
カー、仕上げ工程のワーカー、事務一人と、パートの女性2
人の計6人。

 一方、頻繁に動かすマシニングセンターとNC旋盤のプロ
グラムを組める人は残しました。そこでリストラした人間の
穴埋めは誰がやるのか?が緊急課題でしたので、管理のほう
は私一人であたり、ワーカーの穴埋めは社長がすることにな
りました。

 これにより、大幅なFダウンで、MQ(粗利)の高い良い
仕事を選別して取ることができるようになりました。今まで
は、汎用機につかまっていた職人を遊ばせておくわけにもい
かず、Mも少ないし、Q(数)も少ない割の合わない仕事を
とってきては、彼にまかせていました。

 それがなくなったわけですから気をつかわずに儲かるよう
に変わってきたのです。

■真のボトルネックを見つけたらこう変わる

 また、第一工程に社長が入ることで、社長は何時間残業し
ても、夜通しかかっても、第一工程の前に材料が山になって
いれば、それをせっせと次工程へとまわしていきました。

 すると、すいすいと仕事が回りだし、あっという間に完成
品置き場に完品がつみあがっていくではないですか。

 製造リードタイムが非常に短くなった、というのを実感し
ました。この月からです。移転後の一月を締めたら、G(利
益)がドーンと出たので、こんどこそ正しいやり方を見つけ
たということが立証されたのだと思います。

 しかもこれまで多かった督促やクレームの電話まで皆無に
近くなったのには驚きました。 本当のボトルネックは、第
一工程だったのです。第一工程を以前担当していた社員は、
体が弱く、休みがちで、仕事は正確にこなすのだけれども、
とにかく仕事が遅いのがネックでした。彼の前にどんなに材
料が山積みになっていようとも、残業はしないし、スピード
を上げようと努力するタイプでもありませんでした。

 今は、社長がそこを担当することで、次工程へと仕掛品は
どんどん流れていきます。それを第二工程以降の人たちはせ
っせとこなす
ので、まさにTOC講習のときにやったゲーム
のように面白いくらいFを掛けずにMQを稼ぐことができます。

仕上げ工程の担当者もリストラしましたが、その人の仕事
は、その時々で時間のある人が
配置転換して穴埋めをしてい
ます。

 私自身、今までは経理だけをやっていればよかったのです
が、事務員をリストラしたこ
とで、すべての管理を一人で賄
うことになり
ました。それでもまだ時間に余裕があります。

 こうして、ようやく勉強したTOCが役に立ち、利益ので
る会社になってきました。
                      ■


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