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■厨房設備設置販売会社へのTOC応用

ボトルネックは何

■TOC研修後の交流会
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 N市で行われたTOC研修会終了後、駅前の居酒屋で楽しく懇談していた時のこと。
 参加者のYさんから話がありました。
 Yさんの会社は厨房設備、湯沸器、お風呂などの設置販売をしていますが、そこでのセールスの”売り方”に疑問があるとのことでした、。

■儲からないものを売るセールス
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 通常、仕入価格(V)が高いものは在庫を少なく、Vが安いものは在庫を多く置く傾向があります。

 Yさんの会社もご多分に漏れず機能性に富んだこれぞという品物はVが高いので在庫は置かず、注文があるごとにメーカーに発注しているそうです。しかも注文してから届くまで2日というのですから、発注リードタイムとしては長いほうではありません。

 例えばいまの暑い時期にシャワーやお風呂が数日使えないとなると顧客は文句を言います。そこで営業マンはVの安い低機能のもの(在庫)を持っていって取り付ければ顧客には喜ばれます。

 ところがYさんにしてみれば、より高機能、高品質かつ、マージン(M)の高いものを売ってきてほしいわけですが、いくら言っても営業マンはそこらにあるものを持っていって売上をあげてくるわけです。これではいくら売っても忙しいばかりでちっとも儲かりません。

■これがボトルネックだ
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 営業マンにしてみれば故障が起こった時は、顧客にいち早くうかがって取付工事をして快適に使ってもらうことで喜ばれる。だからいいじゃないかと思っています。しかも売上も上がるのですから、文句はないだろうというわけです。

 会社にしてみれば売上が上がるのはいいけれども、もっと高品質のものを取り付けたほうが頑丈で安定しているし、長い目でみたらこちらのほうがいいと思っています。しかもMが高いわけですから、そっちを売ってきてほしいと願っています。

 こうなると、どちらも良くしたいと願いながら希望、利害が衝突します。

 では会社の希望をかなえて仕入価格(V)の高い商品を常時在庫しておけるかといえば、それがいつ出るかも分からないし、陳腐化するかもしれないし、だいたいそんなスペースはどこにあるの?という話になるでしょう。

 これは皆さんの会社でも起こるケースです。

■大きな山は小さく崩す
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 大きな山は小さく崩す。これがTOCの鉄則です。そこでこの話を次のようにしたらどうなるでしょうか。

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●湯沸器が故障したら、とりあえず貸出用の安い湯沸器を取り付けてその場をしのぎます。それからカタログを見ていただいて新しい湯沸器を決めてもらいます。新しい湯沸器が届いたら、新品と交換工事をします。
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 これをちょっと分析してみましょう。

 まず顧客はお湯を沸かすことが滞らなければ当座はOKです。売る側も、よりMの高い製品を販売することができます。

 では、困ることは何があるでしょうか?
 それは工事回数が倍になり、手間がかかることです。

■変な原価意識
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 工事回数が倍になり、手間がかかる。これは固定費(F)のことをいってます。

 「顧客に通う回数が2倍になり、工事時間も倍かかるので、時間当たりの
賃金に換算すると・・・」

 これが製造原価と同系列の間違った考え方です。
 暇であろうと動いていようとかかるのが固定費(F)です。

 ところが固定費を動いた量に比例させて考えたがるし、それが正しいように見えるものですから、誰もが賃率、経費という言葉を使います。

  しかしこれが顧客満足度上昇を阻む最大の阻害要因であることには全く気づいていません。手間隙かけて顧客は喜ぶのに、それをやらせないのが変なコスト意識です。儲からない会社はみんなこの変なコスト意識が蔓延しています。またそのコスト意識を助長するコンサルタントや会計士などがいるのも困ったことです。

■みんなが利益を得るには
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 もう一度整理して考えてみましょう。

 まず顧客満足度です。企業は顧客から長期的かつ繰り返し受注をいただけるような関係を築くことが大事です。これが荒利(MQ)のもとですから。ですから営業マンがいうようにスピーディに問題解決を図るために動くのは正しいことです。顧客に喜んでいただかなければなりません。

 営業は顧客の信頼を勝ち得て、荒利(MQ)を獲得していかなければなりません。

 次に会社側は荒利(MQ)をより大きくしたいという願いを持っています。そして製品、技術を向上して、よりよいものを顧客・社会に提供することは間違ってはいません。顧客は低品質のものよりも高品質で信頼性のおける価格も納得できるものを望みます。

 すると、ここで真の問題はといえば、、「営業マンの工事作業時間の増加」がこの三者の関係に対してどのくらいのマイナスをもたらすかということです。

 工事時間(回数)の増加が顧客満足度を減少させて荒利の減少や顧客離れを引き起すのか、会社の荒利にどのような影響を与えるのか、自分の仕事の時間に対する影響はどうであるのかを複合的に考えなければなりません。

 単に(作業時間の増加イコール悪である)とはいえません。手抜き工事をして後でやり直しや事故で評判を落とせば会社倒産になる場合もあります。良い仕事をするには必要な時間がかかりますから、なんでもかんでも時間の節約とはいえない 場合はあります。

 この例は、「そのマイナス(工事時間の増加)が得られる利益を食うほどであれば、止めたらいいかもしれない」し、「逆に上回るのであればチャレンジしてみたらいい」という結論になると思います。

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