■クリエイティブ部門のTOC導入は
最も困難と言われている「クリエィティブ部門」のTOCです。
デザイン・設計等、一般的にクリエイティブと言われている部門での管理はおろかTOC研修でさえ難しいものです。拒否反応が大きいです。
私も数十年間現場を見てきましたが、クリエィティブ担当と言われても、企業業績や決算書に対する理解も持っている「真のクリエイター」は少ないものです。1万人に一人いるかどうかです。
大抵はクリエイティブを名乗ってはいるが、その仕事しか知らず全社を理解していない人が大半です。コンピュータを使っている人間やプログラマーも同様。
つまり、明確な「成果」を上げようとしていない人はや、「おたく」は全て真のクリエイターではありません。
それでもそういった人間に納期や成果を意識して業務に取り組んでもらわなければ、企業は納期遅れの解消や成長は見込めません。
では、どのように意識を変えさせることができるのか? これは重要な課題です。
■人間特性について
まず、人間は上の評価によって態度、行動を変えるという特性があります。
そして、仕事とはチェーンのように全部が繋がって初めて達成されMQが生まれるという構造があります。
以上のことを考慮して、クリエイティブ部門のコントロール方法を考えていきたいと思います。
■結論は
結論は簡単です。
全体の負荷量を抑えた上で、優先順位をつけた物件を投入して、来たらすぐに処理をして次工程に流す。これだけのことです。
そして思わぬ遅れが出た物件については現場に行って優先順位を高くするように組み替えます。
また、条件としては「過剰品質」と称して完成しても何度も手を加えることを止めさせることです。エクセルの表で「お化粧」を繰り返すのがこれです。
多すぎる「かけもち仕事マルチタスク」も、全てを遅らせてしまう要因です。
あの聖徳太子でさえ7件を同時処理できたのが最大ですから、凡人は2件でも手に余るはずです。それを何件も同時処理しようとするのは破滅を招きます。
ですから全体の負荷量を押さえるコントロールをしなければならないわけですが・・・。
■ではどうするのか?
いま考えているのは、以上を全て考慮しつつ。
各物件に着手した日付と次工程が手がけた日付の引き算で日数を算出して、時間当たり付加価値 MQ/Days を出したらどうかということです。
このようにして一定期間の人別の MQ/Days を集計します。
そしてMQ/Daysの高い者順に並べ替えをして毎月貼り出します。
※月間、累計の2種類
累計値でも貼り出しておけば、ボーナスの査定にも使えます。
TOP3にはボーナス評価はA、それ以下は評価B、CとしてABC分析のように全体の5%までをAランク、10%まではBランク、15%まではCランク、それ以下はDランクとしてボーナスや昇給を連動させていきます。
DDランクについては上司の強制指導をルールとして加えます。
時間当たりMQが低いものは何らかの教育指導が必要だからです。作業方法や考え方などを変えていかなければ全体の底上げができません。
また、時々はテストを行うもの良いでしょう。
技術テストだけでなく、MGやTOC(企業や全体)に関するテストです。
赤点を取った者はMGやTOC研修には強制参加です。
しかも全員が年2回は社員教育の年間スケジュールから選択して受講するというのも強制にしたほうがいいです。
このように強制的であろうとも、他部門や全社からの乖離を減らさなければ独走を許してしまいます。それでは全体最適化は望めません。
数字嫌い、アナログ人間、良い仕事をやって何が悪いという反論は、全て付和雷同もしくは自分だけ良しの姿勢です。
■真の原因は
こうしたことを許してきたのは、経営者やリーダーがクリエイティブという言葉に弱かったからです。別世界のように仕事を鎮座させたからです。
現場で加工している人間も、クリエイティブ担当者も、じつは何ら変わらないのです。相手の仕事内容が見えないからといって擁護したのが間違いでした。
■それでも変わらないのであれば
ですが、どうしても同調できないというのであれば、全員を解雇した上で別会社として独立した関係を築くことでしょう。
それは親離れ、子離れと同様で、親も子も一人前になっていないのですから、離れた関係で再度仕事を見直すというのが良いでしょう。
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