■原価計算はアルバイトがやる仕事?
製造業に行ってよく見る光景は、原価計算業務を最も仕事ができるベテランがやっていることである。私はこれをじつにもったいない。資源のムダ使いであると思っているが、皆さんはどう思われるだろうか?
■原価計算は外注処理でいい
私は、製造業の「日報集計処理~原価計算」は税理士に丸投げしたらどうか提案したい。
・月額20万払ってもいいから原価計算などは外注処理にして、社内で最も仕事ができる人材は仕事に集中してもらったほうが企業は儲かると思う。
・材料費の集計もベテランがやることではないし、労務費、経費などの配賦は税理士が考えて合法的かつ正確だとする計算でありながら、企業にも都合がいい数値に落ち着けば良いのであるから・・・結論をいえば適当にやってもらえればいい。
ところが、経営者も税理士(公認会計士)も、互いに真剣に原価計算をやろうとしていることが大問題なのである。
そもそも数百にもおよぶ製品群への費用の配賦、微調整などは、最終的には恣意的要素によって決めるしかないのである。例えば売上が高いから費用をまかなってもらおうというのが恣意的、非科学的であるということの証明である。根拠などないのである。
誰もが裸の王様のように恣意的である、つじつま合わせであり、使えない原価数値であることは分かっているのである。しかし誰もそれを口には出さない。出せば「あいつはおかしい」と言われるからか。もしくはまことしやかな原価計算しか信奉するしかないからか。
正しい原価は材料費(つまり比例的費用)しかないのである。それを直接原価方(DC)と言うが、それを知っている人は少なく、知っていたとしても現実で使う人はもっと少ない。
多くは、ウソで塗り固められた全部原価計算(FC)が頭に染み付いて、そこから抜け出すことは宗教を代えるほどの意思決定を迫られることになる。よって世の中の経営者、管理者は全部原価計算(FC)から脱皮することは、ほぼ不可能であるといってもよい。
しかし、それは「苦しいだけの、ゴールのないマラソン」であり、企業を救うことはない。
先を急ごう。
全部原価計算(FC)などは、そもそも合わないものなのだから、費用などは適当に配分するしかないのである。合法的に。が正解であり、私の結論である。そこをどうしようが企業の実際の成績と因果関係はないし、営業活動は原価無視など当然のことである。原価を守る営業など聞いたことがない。
■原価計算の集計は素人でいい
ここからさらに粗っぽいことを言えば、税理士がOKを出すまでの割り振りは素人、アルバイトがコンピュータで計算して「これでいかがでしょうか?」と伺ってOKが出るまでやっていれば良い。結局ベテランがやっていることも大差ないと思うがいかがだろうか。
■過剰管理は人的資源が枯渇する
企業は管理過剰になると決まって業績を落とす。
それは、最も仕事ができる人間(人材)が仕事から離れてしまうので、残された素人集団がいかに儲けるかにトライしているようなもので、じつに儲け効率が悪い。
原価計算の場から仕事ができるベテランを引き離してやるべきである。どうでもいい仕事に有能な人材をつけてはならない。
それこそ「もったいない」である。
そしてこれは原価計算の問題のみではない。
企業にある様々な管理と称するものを克明に調べていけば、あらゆるところに原価計算のような管理作業が存在しているのである。仕事ができる人材をムダに使用していれば、企業は儲かるわけがない。それこそが過去の大企業病だったのではあるまいか。
« ■キャッシュフロー経営とは | トップページ | ■Qは人心、Fは志 »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント