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■企業理念が大事

インターネットも含めて、知識や科学、設備と同じくらい。
いやもっと大事なものが企業理念である。

企業理念を調べていくと、継続的に儲けている会社は一喜一憂していないことがわかる。

経営者も管理者も、短期間の企業成績に一喜一憂していないのである。
毎日や毎月の成績で褒めたり怒鳴ったり罰したりということがない。

■移動平均法は

経営分析の手法に「移動年計や移動平均」という考え方があります。

これは季節変動除去法である一方、短期的な変化から中長期的な傾向を掴もうとするものであり、それは短期的なものには一喜一憂しないということです。

■TOC理論では

TOC理論も短期間の変動に右往左往せずに、長期的な目標達成を目指している。

そこには、リスクや変動的なものはあって当然ではないかという姿勢があるからだ。
だから短期的な変化に一喜一憂はしない。

しかし目標放棄ではないどころか、より高い目標達成をもくろんでいる。

■MGでは

MGも5期で会社は終わりではない。
経営は継続する。しかも途中の自己資本グラフに一喜一憂はしない。
敗者復活戦も良しとしています。


■ところが実際の経営は

一方、実際の経営ではどうでしょうか?

月次の予算と実績を比較して達成者は褒め、未達の者は叱られ次月に不足分も乗せた目標達成を強いられる。

月次レベルで評価をされている。
短期的な評価がまかり通っている。

企業理念のない会社や拝金主義の会社では、そのような光景をよく見かけます。

そこでは「人間を動かすためのテクニックのみが語られます」


■理念のある経営

理念のある経営とは、うまくいく時もあるが、うまくいかない時もあるものだという”矛盾”を認めつつ、短期的評価ではなく長期的発展を目指しています。
つまり短期的な一喜一憂はしないのです。

しかし中長期的な目標達成には執念をもって行動している・・・
それが理念的な経営にはあります。


■日本は長期的経営(理念のある経営)が消えたのか

日本はいつ頃から長期的視点を失ってきたのでしょう?

欧米式の短期的評価が経営に侵入してきて、毎月の目標と実績を管理し、叱咤激励どころか、「飴と鞭の経営」に変質したのはいつからだったのか?

私は個別原価計算(1個あたり原価)や事業部予算制度、目標管理会計などが誤って使われて洗脳をしてきたのではないかと思います。

これらに共通するものは、「複雑多岐に渡る現象やシステムを管理するのに最も有効な方法は、全体を細かい単位に分けた上で個別に監視することである」という考え方です。

ですから、費用も内容も実に細分化し、適切であると思われるように配賦したうえで、費用対効果を測定してダメなものは止めるし、良いものは伸ばすという考えになっていきます。

ところがカオス理論や不確実性といった混沌とした状態においては、「部分の総合計と全体は同じにはならない」ということが分かってきました。

「個別でうまくいっているならば全体もきっとうまくいくはず・・」という考え方はすでに崩壊しているのですが、過去からの固定概念を覆すのは大変です。

ですから、短期的管理=個別最適化に執着する傾向は続きます。

これを除去するには経営者の思考改革と意思決定が不可欠になります。
その思考改革、哲学の形成には「企業理念」が不可欠なのです。

いま企業全体の上に暗雲のような概念が覆いかぶさっているために事業も人間も製品もすべてが本来の力を発揮できずにいるのです。

それを取り払う新しい概念の導入と展開の意思決定は経営者にしかできません。

間違った思考、固定概念が私達の利益拡大を阻んでいるのです。

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